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社会不安障害(SAD)

症状・説明

社会不安障害(:以下SAD)の患者は、人前で自分が何かおかしなことをしてしまうのではないかという「強い不安」を抱き、また、それを他の人に気づかれまいとして、 不安のもととなる状況を避けようとしてしまう病気である。

例えば、「話をしているときに声が震えたり、顔がひきつったりしてい ると他の人に気づかれて恥ずかしい思いをするのではないかと考えて非常 に不安になる」、「手が震えていることを気づかれるのではないかと心配 になり、他の人がいるところで食事をしたり、字を書いたりすることを避 ける」といったことである。

SADは以前は「稀な病気である」という認識だったが、「全人口 の約10〜15%の人が罹患(りかん:病気にかかること)している」という 海外の大規模調査の報告もあり、現在ではSADは決して「稀な病気で はない」と認識されるようになっている。

SADは、10代半ばから20代前半で発病することが多く、性別では男性よ り女性のほうが多いと言われている。なお、アメリカで行われた調査によ れば、SADの発病年齢の平均は15歳となっており、不安をもつ障害の中 で最も発病年齢が低いと言われている。

社会不安障害(SAD)の症状
1. 手足が震える
2. 息が苦しくなる
3. 動悸がする
4. 大量の汗をかく
5. 顔が赤くなる
6. 声が出なくなる
7. 頻繁にトイレにいきたくなるなど

原因

症状でもあったように「自分は下らない奴だと思われていないか?」や 「失敗しないか」など、ごく自然な日常行動を強い不安感のた めにその状況を避けようとする。その行動が症状を更に加速させるとも 考えられているが、そもそもの原因は脳内物質の働きが正常でないため であるとされている。

対策

SADの治療法には大きく分けて、薬物療法と認知行動療法の2つがあ る。実際の治療では、この2つの治療法を併用することが多くなってい るのである。

薬物療法
最近の研究では、SADは脳(セロトニン神経系とドーパミン神経系)の 機能障害により発症するのではないかと推測されており、現在もその発症 原因について、世界中で研究が進められている。海外では、早い時期から 薬物による治療の研究が盛んに行われており、既にSADの治療薬として 承認され、患者の治療に使われている薬(一般名:パロキセチン)なども ある。

一方、日本では、SADという病名で国(厚生労働省)に承認されてい る薬はなく、抗うつ薬や抗不安薬などを用いて治療が行われているのが現 状ある。現在、いくつかの薬の治験(国から薬として承認を受けるための 臨床試験)が、SADという病名で承認を受けるために行なわれている。

認知行動療法
認知行動療法は薬物療法より歴史が長く、精神療法の中でも重要と考えら れている治療法だが、日本ではあまり知られていない。 認知行動療法で は、エクスポージャー、ソーシャルスキルトレーニング(社会技術訓練) などの方法を用いて、実際に恐怖を感じる場面に直面したときに感じる不 安感を自分自身でコントロールできるようにするのである。

薬物療法と違い、副作用が少ないのが利点だが、患者自身もかなり努力 しなければならない。そのため、認知行動療法では、問題点を順番に洗い 出していき、解決できそうな問題、患者さん自身も大きな不安と感じない ような小さな問題から順番に解決していくという方法がとられている。

SADは発病すると、他の精神疾患(うつ病、アルコール中毒、パニッ ク障害など)を併発する割合が70%を超えるとも言われており、SA Dの症状が現れている場合は、それは「性格のせい」ではなく「病気であ る」と認識して、早めに専門医(精神科や心療内科)の診断を受けるのが よい。 日常生活ではストレスをためずに十分に睡眠をとり社会からの不安 を少しでも少なくするように心がけることが大切である。

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